【家づくりと世界情勢】「ナフサ」と建材の意外な関係

こんにちは! ニュースで中東地域の情勢不安が報じられると、「ガソリン代がまた上がるかな」と心配になりますよね。
実は私たち建築業界も、こうしたニュースを非常に緊張感を持って見守っています。
なぜなら、原油価格の高騰は、家づくりに欠かせない「ナフサ」という素材の価格に直結するからです。
そもそも「ナフサ」って何?
「ナフサ(粗製ガソリン)」とは、原油を精製する過程で取り出される成分の一つです。
ガソリンや灯油の親戚のようなものですが、燃料としてそのまま燃やされることは少なく、主に「プラスチック」や「合成樹脂」「合成ゴム」を作るための基礎原料として使われます。
つまり、「中東情勢不安」→「原油価格が上がる」→「ナフサの価格が上がる」→「プラスチック製品が値上がりする」というドミノ倒しが起こるのです。
「木造住宅」なのにプラスチックだらけ?

「うちは木造住宅だから、木の値段(ウッドショックなど)だけ気にしていればいいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、現代の高性能な木造住宅には、驚くほど多くの「ナフサ由来の製品(石油化学製品)」が使われています。
- 断熱材: 壁の中に入れる発泡ウレタンフォームや、ポリスチレンフォーム(発泡スチロールのような板状の断熱材)。
これらは高い断熱性を発揮する、現在の家づくりに不可欠な石油製品です。 - 窓(樹脂サッシ): 結露を防ぎ、断熱性を高めるために、現在の高性能住宅の窓はアルミではなく「樹脂(プラスチックの一種)」で作られています。
- 内装・外装材: 部屋の壁に貼る「クロス(壁紙)」や外壁材の継ぎ目を埋める「コーキング(シーリング)材」、フローリングの表面を保護する樹脂コーティングなど。
- 外からは見えない部分: 床下を通る給排水の「塩ビ管(グレーのパイプ)」や、木材を接着するための「ボンド」もナフサから作られています。
このように、家を暖かく長持ちさせ、美しく仕上げるための部材の多くが、実は中東をはじめとする世界各国から輸入される原油(ナフサ)に依存しているのです。
価格高騰にどう立ち向かう?私たちからのご提案
ナフサ価格の高騰により、建材メーカーからも値上げの要請が続いており、建築費の押し上げ要因になっているのは紛れもない事実です。
「じゃあ、家を建てるのは少し待った方がいいの?」と不安になられる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、私たちは「だからこそ、今、性能の高い家を建てる意味がある」と考えています。
原油価格が上がるということは、ご家庭の「電気代」や「ガス代」などの光熱費も連動して上がることを意味します。
もし建材費を落として断熱材を薄くしたり、窓のグレードを下げたりしてしまうと、完成してから何十年も、高止まりする光熱費に苦しむことになってしまいます。
「初期費用(建材費)が少し上がったとしても、しっかりとした断熱材や樹脂サッシに投資し、エネルギーを極力使わない家(ZEHやGX志向型住宅など)にする」。
これが、不安定な世界情勢から家族の家計を守る、最も確実な「防衛策」なのです。
私たち住宅会社も、複数棟分の資材をまとめて発注したり、価格変動の少ない代替素材を検討したりと、コストを抑える企業努力を日々続けています。 世界情勢は私たちではコントロールできませんが、ご家族の「これからの暮らしのコスト」はプランのご提案や設計の力でコントロールできます。
どうか安心して、前向きに家づくりをご相談ください!
<引用・参考文献等>
■経済産業省 資源エネルギー庁:石油化学産業の動向
ナフサの基礎知識、原油価格と石油化学製品の価格連動メカニズムについて
キーワード検索: 「資源エネルギー庁 ナフサとは」「原油価格 石油化学製品」
参考URL: https://www.enecho.meti.go.jp/
■一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会
各種住宅建材(断熱材、樹脂サッシ等)の主原料と製造プロセスについて
キーワード検索: 「建産協 建材 種類 原料」
参考URL: https://www.kensankyo.org/
■日本プラスチック工業連盟
プラスチックの原料(ナフサ)から製品ができるまでのフロー
キーワード検索: 「日本プラスチック工業連盟 プラスチックの基礎知識」
参考URL: http://www.jpif.gr.jp/